株式や投資信託、国債などの有価証券を相続した場合、主に証券会社にて相続の手続きをすることになります。有価証券の相続手続きは銀行口座の相続手続きとよく似ています。ただし一点だけ、相続した人が同じ証券会社に口座を持っていない場合は、新しく相続した方の名義で口座を開設しなければなりません。
銀行口座と違い相続手続上に「払い戻し」という手続きはありません。最終的には「移管」と呼ばれ、上記のように開設した口座に、故人の口座から株式などを移すことになります。相続株式を売却する予定でも、この「移管」が完了しなければできません。
また、故人がどのような形で株式を保有していたかで、必要な書類も変わってきますので、証券会社とはしっかり打合せをして進めていかなければなりません。
【証券会社での相続手続きの流れ】
① 相続発生の連絡
故人が口座をもっていた証券会社へ相続が発生した旨の連絡をします。(窓口もしくは電話)
② 証券会社との打合せ、必要書類の準備
専門の相続センターなどを設けていない証券会社も中にはあります。その様な場合は店舗での窓口対応のみであったり、さらには窓口担当が要領を得ていないなどの理由からかなりの手間と時間をとられてしまうこともあります。
③ 書類の提出
一般的に以下のような書類を故人の取引店窓口に提出します。(証券会社によって多少の違いが生じることもあります)
- 亡くなられた方の出生から死亡までの全ての戸除籍謄本
- 相続人全員の現在の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書(発行6か月以内)
- 遺産分割協議書や遺言書(検認済証明付き)の原本
- 当該取引に係る口座の通帳やキャッシュカード
- 証券会社所定の相続手続依頼書(相続人全員の署名及び実印の押印)
④ 相続人の口座開設
株式移管用の新規口座を相続人名義にて開設
⑤ 移管手続きの完了
提出書類に不備が無ければ2,3週間程度で移管手続きが完了します。
このように証券会社での株式や投資信託などの相続手続き(移管手続き)は煩雑な銀行口座の相続手続きと非常に似ていますが、それよりもさらに手間と時間を要することになります。
当事務所では遺産整理業務の一環としてこのような手続きについても代行が可能です。遺産整理業務としてご依頼頂いた際にはもちろん証券会社での相続手続きも含まれております。
また、個別のサポートとしても対応させて頂いておりますが、銀行口座の相続手続等、その他の財産の相続手続きと合わせてご依頼頂くことが現実的ではないかと思います。株式の相続手続きに関することは当事務所までお気軽にご相談下さい。