財産調査

相続が発生し、遺産分割をするに当たって、まず必要になるのが相続人の確定と相続財産の確定です。相続人の確定につきましては相続人調査のページをご参照ください。通常この二つの手続きは平行して進めていくことが望ましいと考えます。

こちらでは相続財産の確定に必要ないわゆる財産調査について記載していきます。相続財産にはマイナスの財産(借金)も含まれます。限定承認や相続放棄は相続開始があったことを知った日から3か月以内にしなければならないとされていますので、それらを考えると財産の調査はなるべく早めに行い、余裕をもって進めていきたいものです。

遺言書がある場合はその内容から財産は把握できますので基本的に財産調査は省略することができます。

 

◇まずどのようなことから始めるか

予め相続人が認識している財産はさておき、その他に財産があるのか無いのか、ある場合はその評価など、最終的には数字で分かるようにしたうえで遺産分割協議の際には財産目録として財産の一覧を作成する必要があります。

その為にまずは相続人の方が、アナログな方法ですが、故人が住まわれていた家の郵便物や引き出しなどを確認していくことから始めてみましょう。一般的なものとして以下のような物が見つかった場合は、財産がある可能性が出てきますので、そこから掘り下げて調査していく必要があります。

【不動産の場合】

  • 権利書
  • 登記識別情報
  • 固定資産税の納税通知書

【預貯金の場合】

  • 預金通帳
  • キャッシュカード

【有価証券、投資信託等の場合】

  • 取引口座開設に関する書類
  • 運用報告書、取引報告書
  • 支払い報告書、残高報告書
  • 株主総会招集通知
  • 発行会社の事業報告書等
  • 国債などの証書

*その他に可能性が考えられるものはノベルティ(ボールペン、カレンダーなど)や銀行員、税理士、証券会社等の名刺などもあります。

上記のようなものが見つかった場合、それだけでは不十分です。下表のとおり、それらを元に担当窓口にて必要となる証明書等を取得します。

  担当窓口  取得すべきもの  
不動産  市区町村役場

・名寄帳

・固定資産評価証明書

*法務局の前に市区町村役場へ行かれることをお勧めします 
法務局

・不動産登記簿謄本

(登記事項証明書)

預貯金 金融機関

・預金残高証明書(名寄せ)

・取引明細書

同じ金融機関であれば一窓口で全ての支店の普通・定期預金、投資信託等が確認できます。
有価証券 証券会社

・取引残高報告書

古い株券などの場合はその発行会社に問合せる。

上記証明書類は後の遺産承継手続きにて必要になるものがほとんどですので、相続人が把握している財産や遺言に記載されている財産についても必要に応じて取得しなければなりません。

当事務所では上の表に記載されている各証明書の取得を委任に基づき全て代行し、財産目録の作成までの個別のサポートも行っています。

相続人調査、相続関係説明図作成と合わせてのご依頼も多くいただいております。「故人の自宅でこんなものが見つかった」「証明書を取り付ける時間がなかなか無い」などの際はどうぞお気軽にご相談ください。

遺産整理業務のお任せプランには上記サポートは含まれております。

 

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